私が平屋を選んだわけ

新築平屋は子育てに便利

新築で家を建てると決まって、どのような家を建てようか?と調べているうちに、平屋を建てることにしました。

新築なのに平屋を建てると聞くと、「せっかくだから2階建てのほうが・・・」と感じたりしないでしょうか?私が平屋を建てると周囲の人に伝えた際も、「なぜ、平屋なの?」と聞かれたものです。

現在、人口が多い街では、2階建て3階建てのような建物が一般的です。極小住宅という言葉まで聞くようになり、狭い土地では幅が一間にも満たない物件も見かけます。

そんな中、平屋を建てたのには理由があります。年代別の生活パターンを考えると平屋がいいのではないかと感じたからです。生活パターンを大きく分けると、夫婦二人、子育て、熟年子離れ、老後に分けることができます。

新築を建てる際に知っておきたい生活パターン

夫婦二人

結婚して夫婦二人で暮らす期間です。リビングで過ごす時間が多いでしょうか。

子育て期

最も人数が多くなる時期で、子育てが中心になります。子供は中学・高校になると、外で友達とコミュニティを作り始め自立を求めるようになります。ですから、それまでの成長期に合わせた家づくりが良いでしょう。

熟年子離れ期

子どもたちが巣立って、自分たちの時間を大事にできる期間になります。この時期に犬や猫など新しい家族を迎える家庭も多くなります。

老後

少しづつですが体力が落ちてきて、2階への登り降りが億劫になってきます。年齢的には70歳を超えたあたりからの期間です。特別な理由がなければ2階へ登らないようになっていきます。

生活パターンにフィットした家を建てる

生活パターンを確認すると、子育て期と老後って大変そうですよね。そこで、子育て期と老後に住みやすい家はないかと考えるようになったんです。とはいっても、子育てにも老後にも最適な家というのは予算の都合もあり難しいです。

子育てと老後にも便利な家とは

まず、子育てと老後で求めるものが違います。それを整理するところから始めます。

子育て期に家に求めるもの

まず、子どもたちに目が届くこと。小学校を上がるまでは、声をかければ返事があるぐらいの距離がベストです。宿題や遊びはリビングで。だから少し広めのリビングが欲しいと思いました。

老後に家に求めるもの

体力が落ちても使いやすいこと。両親やその友人宅へおじゃました時に気になることがありました。それは、2階がそれほど活用されていないように見えたのです。そのことを聞いてみると、歳を重ねると2階へ上がるのが億劫になり、物置にのようになっているとのことでした。

新築で平屋という選択肢

子育て期と老後に家に求める条件を考えるうちに、こう考えるようになりました。老後に使わなくなる2階3階にお金をかけるより、平屋で住みやすい家を作れないだろうか?

平屋のメリット

老後に住みやすい家として平屋は良い選択に思えます。もちろん、平屋以外の解決策もあるでしょう。3階建てにしてエレベーターを設置したり、子供が巣立ったら買い換えたり。

私の場合は、間取り設計にもこだわって自分の理想の家を作ると決めていたので、住み替えは考えていませんでした。またエレベーターのようにメンテナス費がかかりそうな設備を家に増やしたくもありません。

もちろん、2階建て・3階建ての住宅にも平屋にない良さがあります。とくに個々のプライベート空間をしっかりと守りたいという人にとっては、3階建てがベストチョイスになるかもしれません。

ただ、私にはプライベート空間の確保よりも、家族を「感じられる」空間が重要でした。名前を呼べば声が届く。声をかけずとも、存在を感じられる。そういう空間は平屋ならではのものです。

また、平屋のほうがバリアフリー化が容易であることもポイントです。可能な場所は、最初からスロープを付けておくことで、介護問題にもすぐに対応できます。新築ですから、家の中に段差があることは稀ですが、それでも最初からバリアフリーを意識しておけば、後のリフォームも小規模ですむ場所はあるでしょう。

このように平屋は、将来の生活パターン変化に対処しやすいのです。これが平屋のメリットです。

平屋のデメリット 回避する工夫を考える

もちろん、平屋にはデメリットもあります。事前にデメリットを確認し、それを回避するための間取りや工夫が必要でしょう。

平屋で難しいのは、プライベート空間の分離と、スムーズな動線の確保です。

どこに誰がいるのか分かるのが平屋の良いところだと書きました。その反面、一人になれる空間が少なくなります。仕事や勉強に集中したり、病気などでゆっくり休みたいこともあります。一部屋でもいいので、生活の雑音が聞こえない部屋を作っておくとよいでしょう。トイレや音のするリビングの位置にも注意を向けてくださいね。

動線の確認も重要です。動線とは、家の中での人の動きを表したものです。生活パターンの影響で各家庭によって違います。平屋では家族の動線が重なりやすいので、動線を分散できないか考えておきましょう。

例えば、お風呂から寝室へはリビングを通らなくてもいけますか?リビングにお客様が来ていても、顔を合わさずに部屋・キッチンまでいける勝手口はありますか?トイレと洗面台が同時に混雑しないようにできていますか?

平屋で意識しておきたいのは、家族の行動から起こるストレスへの対策です。間取りを考える段階から、こういった対策をしていれば、後に大きな問題になることはないでしょう。

私が平屋を選んだわけ まとめ

子育て期には家族に目が届くこと。老後も良い環境を作りやすいこと。この2つが平屋を選んだ大きな理由です。

老後のことは老後に考えるという考え方もありますが、ローンを支払い終えた後に大規模なリフォーム工事というのは、現実問題として難しい選択になるでしょう。

そうであれば、初めから老後に向けてリフォーム工事の必要のない家づくりをしたほうが楽です。設計の段階から考えておけば、子供が巣立ったあとに簡単なリフォームで済ませられます。

土地の広さ・予算・重要視する生活パターンも人それぞれ。ですが、平屋だからこそ実現できる生活もあると思います。平屋も選択肢のひとつとして、ぜひ検討してみてください。