平屋でコンパクトな家の間取り図
20~30坪で生活に合わせた家

平屋でコンパクトな家の間取り図

平屋の間取りで失敗が多い場所、ご存知ですか? それは一見、無駄に思えるアノ場所です。 その失敗の多い場所を中心に間取りを考えると、コンパクトでも使い勝手の良い間取りになります。 ぜひ、答えを考えながら読み進めてください。

さっそく、延床面積20~30坪のコンパクトな平屋の間取りをみてきましょう。限られた建築面積に平屋ですから、空間をうまく使わないと、狭いだけの住みにくい家になってしまいます。生活スタイルに合わせて、残す部分と捨てる部分の見極めが大事です。

20坪の間取り 夫婦2人の快適な老後

20坪の間取り図

主に夫婦二人の老後にフォーカスした間取りです。ポイントは廊下の幅を広く90cmとしていること。平屋の場合、廊下は部屋を広くするために、細く作られることがあります(幅70cm程度)。老後に車いすを使う可能性を考えると、廊下の幅は90cmはほしいところです。なぜかというと、車いすの幅は、JIS規格で電動車いす70cm以下と決まっているからです。廊下の幅が70cmだと、通常の車いすでもギリギリになってしまいます。

間取りのポイント

トイレ横にある6畳間は、介護が必要になったときに寝室として使うことを想定しています。介護の負担を考えて、トイレを横向きに設置しました。介護がはじめるとトイレ周りの処理が大きな負担になります。トイレが遠いと、介護する側もされる側にも負担になりやすい場所です。水回りはリフォームの対応が難しい(費用がかかる)ですから、設計の段階でよく検討するようにします。

収納は納戸に集約します。入り口付近の納戸は好みで一つの納戸にしてもいいでしょう。収納合計は4畳。一般的には、延床面積の10%以上が収納の目安ですので、コンパクトな生活を心がければ十分な広さです。

また、スペースを有効活用するために全て引き戸にしてあります。この坪数の家は、無駄なスペースを作らないよう、設計段階から工夫が必要です。

25坪の間取り 夫婦2人+子ども1人

25坪の間取り図

子育て中心の間取りプランです。この間取りのポイントは、リビングを通らないと子供部屋に行けないことです。こうすることで、子供の行動に目が届きやすくなります。反面、子供部屋・寝室がリビングの隣であるため生活の雑音が伝わりやすくなります。設計の際に防音構造にできないか相談してみましょう。

間取りのポイント

玄関横に納戸を確保し、シューズクロークや自転車置き場に利用できます。2畳分を確保しました。1畳でもよさそうと考えがちですが、使い勝手を考えると2畳以上をオススメします。狭すぎると整理が面倒になり、開かずの物置になってしまいがちです。

入り口から広めの廊下を設けました。水回りの音を遮断し、雨の日は廊下で室内干しスペースとして利用できます。子育てが始まると、参加しなければならない行事が増えます。その結果、雨の日でも洗濯をしないといけない日も増えていきます。雨が多い時期でも対応できるよう、水回りの工夫をしておきましょう。

寝室は7畳、子供部屋との間にクローゼットを設けました。クローゼットを設けることで防音効果が期待できますが、あわせて壁材による防音ができないか建築士に相談したほうが良い部分です。リビングの防音と合わせて相談しましょう。

30坪の間取り 夫婦2人+子ども1人

30坪の間取り図

子育て期間を意識したファミリー向けのプランです。子育てを中心に考えると、これぐらいの広さが欲しくなります。リビングの先に子供部屋があるのは25坪のプランと同じ。子供が多感な時期になり、自分のプライベート空間を欲しがったら、寝室と交換などして対処でもできるでしょう。

間取りのポイント

客室を玄関脇にすることで生活空間と切り離しています。また、トイレに行く際もリビングを横切らないので、プライベートな生活空間も確保できる間取りとなっています。

入り口付近の納戸は、家の中心に位置しています。家から持ち出すことが多いものや、各部屋で使う掃除器具などを収納するのにちょうど良い位置です。

子育てのことを考え、洗面所も大きく確保しました。雨の日の室内干しスペースとして利用できます。浴室スペースを乾燥させる換気システムも一般化していますので、予算と相談して設置するのもいいでしょう。

ポイントは、子供がリビングを通らないと部屋へ行けないことです。これは坪数にかかわらず、子育てにフォーカスするなら押さえたいところ。帰っているかどうか分かるだけで、親としては安心です。子供ができるまでは、こんなに気になるとは思いませんでした。子供が遊んでいるのを見守りながら家事ができると安心です。

リビングも12畳ありますから、4人家族でも十分な広さです。

コンパクトな平屋 間取りの重要ポイント

「コンパクトな平屋の間取りで失敗が多いのはどこでしょう?」と、最初に聞きました。答えは廊下です。極端に狭い廊下は、家の使い勝手を悪くする原因になります。

間取りを考えはじめると、まずリビングや寝室・子供部屋と部屋単位で考えることが多いですよね。 とくにコンパクトな平屋の場合、部屋の広さだけを見て設計しがちです。その結果、廊下や水回りがおろそかになり、住みにくい家になってしまうのです。

生活を支える廊下の役割

廊下には、通路以外にも大切な役割があります。 廊下で区切ることで、部屋をプライベート空間として独立させることができます。小さい音なら廊下を挟んでいるだけで軽減されるので、多少の防音効果も期待できるでしょう。また、距離が離れていることで、心理的にもプライベートが守られていると感じることができます。

廊下本来の機能から考えても、スムーズな動線を確保をするために、すれ違いの多い廊下は広く設計したほうが住みやすい家になります。あわせて、フローリングではなく音のしないマットを敷くなど検討してみましょう。家族の足音は意外と気になるものです。

物音などが原因でプライベート空間が守られていないと、小さなストレスになり積もっていきます。積もったストレスは、年を重ねたときに体調不良につながるかもしれません。また、廊下はリフォームで変更するのが難しいことも忘れないでください。上手に廊下を使ってコンパクトで使い勝手のいい平屋を建ててくださいね。